素晴らしき世界、その後

MENU

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

こんな日は

彼氏は頭痛持ちで、僕は貧血持ちだ。
しょっちゅうとまではいかないけれど、定期的に起こる「その日」は、お互いにいたって機嫌が悪い。
僕は「その日」を『生理の日』と呼んでいる。だいたい月一度のペースでやってくるからだ。

今日はその『生理の日』がバッティングしてしまった。
ふたりともちょっとしたことでイライラしている。

「こんな日は、近づかないほうがいい」

そう思って、部屋に閉じこもって、パソコンに向かっている。

スポンサーサイト

素直

ベランダが異様に広いので、デッキチェアを置いたりランプを取り付けたりしている。
ちょっとした癒しの空間だ。
それでもまだスペースがあるので、春から夏にかけては植木鉢を買ってきて、花や観葉植物を育てたりしている。仕事から帰ってくると、水をやるのが日課だ。
「このつぼみは明日咲くかも」
「こいつは葉っぱが大きくなった」
そんなことを言いながら、ふたりで毎日花の成長を楽しんでいる。

今は夕顔が旬だ。
ちょっと前までは双葉だったのが、いつのまにか弦を伸ばして大きくなった。もうすぐ宵闇に幽玄な白い花を咲かせるのだろう。

そんな夕顔を眺めながら、彼氏がぼそりと口を開く。
「昨日は迷惑かけてごめん」
「反省した?」
「うん」

昨日は、吐き続ける彼氏を朝4時まで介抱した。
本当に反省しているのか、今日の彼氏はやけに素直だ。

バカ

彼氏がぶっ倒れた。
仕事の最中に、共通の友達からそんな連絡が入った。

どうやらテニスサークルの帰りに、昼間っから酒を飲んで、そのまま酔い潰れたらしい。
いい御身分だ。

「意識がないんだけど、どうしたらいい?」
「どこかに置いといて。仕事終わったら取りに行くから」

泥酔してアスファルトにしがみつくのは、今に始まったことじゃない。
だから、たいして驚きもしない。むしろ、呆れ果てている。
それにしても、と思う。大学生のコンパじゃないんだから…

今も彼氏は隣の部屋で、苦しそうに唸り声を上げながら眠っている。
介抱はしない。
そんなバカの面倒を見るほど、僕は優しくない。
僕がすべきなのは、彼氏を部屋まで運んでくれたサークルの人たちに謝り倒すことだ。
そう思って、あちこちに電話をかけている。

彼氏がバカだと苦労する。

つないだ手

閉ざされたドアの中だけが、僕らの居場所だ。
一歩外に出たら、手をつなぐことすらできない。
悲しいかな、所詮、僕らはそういう存在なのだ。

けれど、夜中は別だ。
人通りも少ないし、もし誰かに見られても「やれやれ、また酔っ払いか…」くらいにしか見られない。

そんなわけで、飲み屋からの帰り道、ふたりで手をつないで歩いてみた。
家の中で手をつないだときとは、全然違う感触だった。

あしのうら

梅雨になると、困ることがある。
彼氏が水虫になるのだ。

しかも、部屋の中を裸足で往来するので、こちらとしてはたまったもんじゃない。

2年前に、生まれて初めて感染(うつ)された僕。
痒くて痒くて仕方なかった。
去年は回避できたものの、今年はどうなることか。

「頼むから、クスリ塗ってくれっ!」

そう言うと、足の裏を向けて、
「うりうり」と僕につけてくるのだから、本当にタチが悪い。

ほら、夕日が綺麗だ

仕事でお疲れ気味の彼氏。
「うたた寝するから、30分後に起こして」
と、恐ろしい言葉を残して、眠ってしまった。

今まで何度もこういうことがあり、そのたびに「うるさいわっ!」と怒鳴られているのだ。
寝起きの悪さは天下一品。『理不尽』とはこのことだ。

そして、30分後。
恐る恐る、彼氏の身体を揺さぶってみる。

「あの…30分経ったんだけどさ…」
すると、彼。寝ぼけながら、
「見てみ。ほら、夕日が綺麗だ。(意味不明)」

どんな夢を見てたんだろう。

寝不足

「疲れた~!」
帰ってくるなり、畳に大の字になる彼氏。

「俺が横にいて癒してやるよ」そう言うと、彼氏は「それが一番疲れるんだよな~」だって。
ああ、そうですか。ふん。


最近、お互いに仕事が忙しい。
ふたりとも帰ってくるのは23時頃。
それから彼氏は次の日の仕事の準備をし、僕は彼氏につきあって、結局、寝るのは2時、3時。
ふたりとも、もうフラフラ。

それでもセックスは欠かさないのだから、彼氏の性欲ってすごいと思う。

静かな夜

彼氏は自分の部屋に閉じこもったまま分厚い専門書とにらめっこをしている。

とてもじゃないけど、相手にしてもらえそうにない。

「しかたがない」と、溜めていた本を広げてみたものの、退屈になって閉じてみたり、でもやっぱりすることがなくてまた開いてみたり。

なんだか、そわそわ。落ち着かない。

そもそも、仕事が終わってから寝るまでの僕の時間には、すでに彼氏が組み込まれてしまってるのだ。

10年前、
ひとりで生きてた頃は、こんなだったっけ?

遠すぎて、うまく思い出せない。

大丈夫かも

妹の結婚が決まった。

「次はおまえの番」
離婚して別々に暮らす父親にも母親にも同じことを言われた。

そんなこと言ったってさ…

「僕は根本的に結婚できないんだよ」
何度も喉元まで出て、やっぱり飲み込んでしまう。


ときどき、不安になる。
いつまで、僕らはこの生活を続けることができるのだろう。


唯一の救いは、ふたりが笑っていられるということ。
一緒にいると、ほら。
僕らはいつも、冗談を言い合いながら、ゲラゲラと笑っている。

案外、大丈夫かも。
そんなふうにも思えてくる。

グッドタイミング

と、思ったら。
テニス帰りに、彼氏が友達を連れてきた。

なんてグッドタイミング。

昨日までのこの部屋ときたら、脱いだままのパンツだとか、食べたままのカップ麺が散らかり放題だったのだ。掃除しておいてよかった。

「別に汚いとこ見られてもいいじゃん」

彼氏はそう言うのだけれどさ。
(そうはいかんでしょ)

掃除男

あまりにも晴れ渡って気持ちがよかったから、
部屋を大掃除してみた。

彼氏はテニスに行っていて、
僕は部屋の中でシナリオの宿題…のはずが、
集中力がなくて掃除に逃げたってわけ。

でも、すごいよ。
フローリングも机の上もレンジもトイレも、もうピカピカ。
誰にも文句は言わせない!

誰もこの部屋には来ないけどね。

素晴らしき世界

つきあって10年。
同棲して4年。

僕の定位置、彼の定位置。
いつものなにげない会話。

なにも変わらないことが、すこし嬉しい。

該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。