素晴らしき世界、その後

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この町に別れを告げる

この町は、僕の遠距離の歴史だ。

彼氏との遠距離がはじまってからの、この8年間を、
僕はこの町と一緒に過ごした。

最初の半年は、僕にとって暗黒の日々だった。

いつも当たり前のように隣にいた彼氏がいなくなってしまい、
僕は精神のバランスを崩していった。

救ってくれたのはTだ。

結局、この町でのほとんどは、Tとの思い出、ということになる。

僕はTが好きだった。

けれど、僕はTを振った。
ここには書かなかったけれど、そのときは一日中泣いて、
そのあとご飯が喉を通らない日が何日も続いた。

そうやって僕は、この8年間をやり過ごしてきた。

この町を離れるにあたって、町をぶらぶらと歩いてみた。
Tといったショットバーや喫茶店や、ゲームセンターや、
そういうのを見るたびに、胸が痛くなる。

Tには本当に悪いことをしたし、
Tには本当に助けてもらった。

Tはどうしてるだろうか。
元気でやっているのかな。
今では連絡をとることもできないけれど、
もし話すことができるのなら、
最後にもう一度、ありがとうって伝えたい。


そして、来週、僕はこの町に別れを告げる。

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あと何十年?

有名人が若くして亡くなるたびに、
彼氏と、「俺らもあと○十年だなあ」なんていう話になる。

残された時間は、そう多くはない。

まあ、だからってどうしようもないんだけれど。

採寸

鍵をもらったので、新居の様子を見てきた。
家具や電化製品を買うために、採寸したかったし。

扉を開けて、

まだ生活のにおいがまったくしない、
からっぽの部屋を眺める。

うむ、ここが僕らの生活の拠点となるのか。

     ☆     ☆     ☆

採寸していて、
新たな事実、発見。

あれ、キッチンに冷蔵庫を置くスペースがない・・・

家をショットバーみたいに

彼氏とは家具や電化製品の相談。

二人で暮らすとなると、
ふたつも要らないから、どちらかが捨てなくちゃいけないものや、
逆に新しく買わないといけないものも結構あって、
そうゆうのをひとつひとつリストアップ・・・

してるうちに、お互い、欲しいものがどんどん増えていく。

彼:「希望を言うと、LDKの隅っこに小さなテーブルとチェアを置きたいんだよね」
僕:「テーブルとチェア?」
彼:「そう。あるでしょ、お店によく置いてあるお洒落なやつ。背が高くてさ」
僕:「そんなの買ってどうするの?」
彼:「家をショットバーみたいにしてさ、ふたりで焼酎とか飲むの。良くない?」

うん、悪くない。
予算、完全にオーバーだけど。

スイッチ

スイッチが切り替わった。
一転、引っ越しモード突入。

こういうのが苦手だとか、そんなこと言ってられない。
まだまだ時間があるように思っていたけれど、逆算したらけっこう時間がない。

引っ越し業者の手配をした。
ネット回線も手配もした。
今住んでいるところの管理会社に解約の連絡もした。
その他もろもろの手続きも・・・

案外、引っ越しって大変。

彼氏がいる週末

朝おきて、ふたりで布団の中でぐだぐだして、
そして昼過ぎに、彼氏はまた東北に帰って行ってしまった。

次会うのは、彼氏が新居に引っ越してくるときだから、
いまのこの僕の部屋は、
彼氏にとって今日が見納めということになる。

彼氏はそういうのに一切感慨を持たない人なのだけれど、
僕はいちいちそういうのを考える人間なので、
なにげにしんみり。

このエレベーターで、こうやって彼氏を見送るのも最後だなあ。
なんて。

DSC_0196.jpg
彼氏についてきてもらって、門戸厄神で厄払いしてきた。

新居あたりを

中にはまだ入れないけれど、外からだけでも新居を見てみたい、
と、彼氏が言うので、

新居あたりをぶらぶら散策。

けっこう駅から近いやん、地図で見たらもっと遠いのかと思った。
ジムもあるやないの、絶対通うんだ、お腹引っ込めなくっちゃ。
店がいっぱいだね、居酒屋もあるし。こりゃ楽しくなりそうだ。
(彼氏が今住んでいるところは周りに何もないらしく、いつも嘆いている)

彼氏が引っ越してくるのは3月の終わり。
あと2か月。
あと2か月後に、僕らのこの町での生活がはじまる。

その頃には、近くの公園の桜がきっときれいに咲いてるんだろう。
彼氏が大阪から離れていった、八年前のあのときみたいに。

鳥の炭火焼き

時計は夜の10時。
仕事は全然終わってないけれど、
ええい、もういいや、と、残業を切り上げて、
待ち合わせ場所に急ぐ。

「はいお疲れさん」

東北から延々新幹線を乗り継いでやってきたのだから、
彼氏のほうが疲れているだろうに、

その笑顔に僕は救われる。

     ☆     ☆     ☆

その晩、鳥の炭火焼きの店に行った。

焼酎をくいっとやりながら、
「これ、うまいねえ」と舌鼓をうつ。

彼:「この店、気に入っちゃった。引っ越したらまた来ようよ」
僕:「そうやね、これからはいつでも来られるからね」

ほろ酔いで、幸せな時間。

こういうのが、今までは限定的で特別な時間だったけれど、
これからはなんでもない「日常」になるのかな。

もしそうなっても、
それは当たり前のことじゃないって、大切にしなくちゃ。
折角、離れ離れをこれだけ経験したんだから。

会話、弾まず

「げんき?」
「なわけないでしょが」
「ですよね…」
「そっちは?」
「なわけないでしょが」
「ですよね…」
「…」
「…」

お互い疲れ切って、会話、弾まず。
電話の向こうとこっちで、沈黙。

けれど、お互い疲れ切っていることをわかっているから、
別に気まずいわけじゃない。

ただただ、会話、弾まず。

僕、2週間、朝から晩まで働きづくめ。
彼氏はもっと休んでない。

生きていくって大変だ。

あと2か月

あと2か月でブログを終えるにあたって、
読んでくださっている方々の心に何かひとつでも残せるようにと、

例えば、ゲイのパートナーシップについての考察やら、
そういう小難しいことを、僕も書いてみようとも思ったけれど、

結局、僕には訴えたいことなど何一つないことに、はたと気づき、
考えるのを、やめた。

きっと読んでくださっている方々が、
それぞれ勝手に何かを感じ取ってくれているに違いない、うん、きっとそうだ。

とにかくあと2か月。

     ☆     ☆     ☆

本日、彼氏、仕事上の会食で電話つながらず。
声を聞かなけりゃ聞かないで、1日が終わった感じがしないから不思議。

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